舗装路を下って第一関門、清里に到着。時間は11:53。
エイドでは、バナナやグレープフルーツ等果物が振る舞われていた。
ジェルやバーばかりだとあまりにも味気ないので、有難い。
エイドではsokenさんやしょんしょん丸さんと合流。
お二人とも私よりずっと速いランナー。
もしやかなりのハイペースなんじゃ。。。。
■コース概要(第一関門-第二関門)
第一関門(54km地点)の清里から第二関門(96km地点)松原湖公民館前までのコースは、起伏に富んだコース。区間の序盤を除いて林道か舗装路。トレイルではないアップダウンがどのようにレースを左右するだろうか。。。
■第一関門(54km 清里)~第5エイド(60km 平沢峠駐車場)
第一関門以降はようやくストックが使用可能となる。
迷わず関門でストックを取り出し、ロードの下りから使い始める。
ストックは登りでも重宝する道具だけど、下りでもかなり使える。
ストックなしの場合は、着地時に負荷が大腿部や膝に集中するのだけど、ストックを前脚替わりに使うと、ストックと脚で負荷分散が出来る。
まさに4本足で走る動物のような感覚。
下りを4本足でひた走る。
途中、街路樹の紅葉に足を止める。
鮮烈な赤。これから何度、写真を撮るのに足を止めるだろうか。。。
清里駅前を通り、再びトレイルに入る。
標高1,643m、飯盛山へ。
ストックの4本足効果はてきめんで、登りをぐいぐいと進むことが出来る。
先行していたsokenさんをゲット。
そして前方にはハリ天さん。
しかし、差は徐々に詰めるもなかなか追いつけない。
フォトランしているものの、ストック無しのハリ天さんに追いつけない。
これが実力差というもの。
しかし実力差とは別に、少しか前ら左足甲の部分に妙な圧迫感を感じ始めていた。
履いているS-LAB4のシューレースがきついというか何というか。。。
何度か緩めてみても、全く改善しなかった。
飯盛山の頂上に着くとここから先は岩場メインの下り。
登山客に気を配りながら、ストックを前に突き出し下りを駆け下りる。
途中でsokenさんとしょんしょん丸さんに再び抜かれる。
さすがの速さ。
下りきった所で第5エイド到着。
■第5エイド(60km 平沢峠駐車場)~第6エイド(72km 林道内貯水池)
私は水も食糧も十分あったのでエイドには寄らずそのまま下り続ける。
ここから暫くはロード。
延々と平地と緩い登りを進む。
この辺りから大腿部あたりが徐々に疲労し始め、思うように脚が振れない状態になってきた。
ストックを使いながら、小股走りをする。
しかしスピードがなかなか上がらず、後ろのランナーに少しずつ抜かれて行く。
エイドをパスした時にsokenさんとしょんしょん丸さんを抜いたが、ここで三度び抜かれることとなった。
こっちはストックで十分負荷軽減しているんだけど、やっぱりかなわないな。
JR野辺山駅に到着。
標高1,345m、どうやらここがJRの駅の中で最も標高の高い駅らしい。
出来れば石碑と一緒に撮りたかったが、タイミング合わず普通に撮影。
野辺山駅を越えて間もなく、ハリ天さん、ハリマネさんに遭遇。
ハリマネさんの私設エイド。
ハリ天さんが声を掛けてくれて、有難くもフルーツをいただいた。
登り前のひとときに感謝です!
さて、ここからは八ヶ岳を臨みながら1,400mから1,900mまで一気に駆け上がる。
公式HP上ではここは林道のはずだが、延々と続く砂利道。
これってロードではないな~?
林道とロードとの定義の細かい違いはあるとして(苦笑)
約10kmを登りに登る。
臀筋に集中しながら内股気味に走る。
登りとはいえ、10kmもあるのでここで走れるか否かが大きな違いなのだ。
と自分に言い聞かせる。
走れない訳ではない、
だけど走り続けるには辛い距離をどう走るか?
私の答えは「ケツで走る」
臀筋の小さな動きから大腿筋の大きな動きを作り出し、ランニングフォームへと発展させる。
レース前の練習中、臀筋の動きを意識しながら走れたことで、身体の芯の部分から動きを作り出すことが出来ているような気がした。
大腿筋が言うことを聞かなくなってきた今、臀筋が活躍してくれるのは有難い。
自分の走りの引き出しが増えた気がした。
ようやく林道っぽくなってきた。
野辺山でお会いしたハリ天さんが、そろそろ追いついてくる頃だろうと思っていたが、姿が見えない。
何かあったのだろうか?
ようやく木々が現れて林道らしくなってきた。
視界が開けているよりは何かに囲まれている方が前進している気がする。
※林道脇にあった小さな滝。
■第6エイド(72km 林道内貯水池)~第二関門(96km 松原湖公民館前)
エイド到着。
人影は無く、無人の長テーブルに水入りのポリタンクがあるだけ...
殺風景過ぎてむしろ新鮮だw
水も食糧も潤沢にあるのでこのエイドを頼ることはないが、食糧切れのランナーはガックシ来ただろう。
1,800m付近に着くと小刻みなアップダウンを繰り返す。
登りで抜かれ下りで抜き返す、そんな展開が何度も繰り広げられる。
約1時間おきにジェルをハイドレにあるメダリストを胃に流し込む。
肌寒い気候であまり空腹や喉の渇きを感じることはない。
だけど補給せずに進むと、思わぬところでエネルギー切れを起こしかねない。
既にジェルの甘さには辟易していたが、義務だと思って口にした。
レース中盤、ひと山越えて安堵したい気持ちも山々だがここで歩いてはレース後半厳しくなる。
ランナーと交差する度に「また会いましたね~♪」なんて言葉を交わす。
一方で、違和感のある左足甲の方はいよいよズキズキ疼き始めた。
はっきり痛みとなっているのが分かる。
登りでは影を潜めていた痛みが、平坦路や下りで顔を覗かせる。
思うように足を運べない。
徐々にフォームが崩れて、左足を引きずるような走りに変わっていった。
まだ中盤だというのに、マズいな。
ようやくアップダウンが終わり、下りのロードに入る。
17時前になってくると、周囲が徐々に暗くなってくる。
気温も一桁台になっただろうか、だいぶ冷え込んできた。
昼間はベースレイヤーだけで走っていたが、さすがに寒いのでバーサライトジャケットを着込み、耳当て手袋を付けた。
下り坂を勢いそのままに落ちていく。
程なくしてあるものがないことに気付く。
「サングラス!」
オークリーのUNKNOWN。
耳当ての上に掛かっている筈がどこを触ってみても見つからない。
レースでは滅多にしないサングラスだが、上着を着たタイミングで外れてしまったようだ。
さすがに引き返して登る気にもなれず、泣く泣く下り続けることにした。
ロードを下り切ると周囲は真っ暗闇。
しかしまだライトは点けない。
ロードの白線が暗闇でも見えるのでそのまま進む。
平坦路。
第二関門の松原湖はもうすぐのはず。
左足をかばいながら不自然なステップ。
行けどもなかなか関門らしきものは見えない。
暗闇の中、左手には野球場のような煌々と光るライト。
もしやこれが関門か!?
目標らしきものを見つけた私は、光を頼りに足の痛みをこらえながら進む。
しかし、しばらくすると順路が光からそれ始める。
関門だと思っていた場所がそうでなかった時のショックは大きい。
足は止まりたがっている。
市街地に入る。
今まで抜いて来たランナーに続々と先を越されていく。
24時間以内の完走なんて欲はどこかへ消えてしまった。
通り過ぎる影。
すぽるちばの大原さん。
追いすがることも出来ず、小さくなっていく姿をただ眺めているだけだった。
無力。
痛む足が腹立たしい。
なにビッコ引いてんだか...
まだ終わらないロードも腹立たしい。
下りきったら5kmもない筈だぞ、ちゃんと測ってるのか!?
そんな、今思うと恥ずかしいくらいに悪態まみれのランナーが、街灯の下ひとり、
とぼとぼと足を引き摺って行く。
ようやく係員の赤いランプを発見。
交差点を左折して間もなく第二関門、松原湖到着。18時17分。
24時間ゴールの想定通過タイムは19時18分。
こんなボロボロな状態でもまだ1時間早いとは。。
<続く>