1年ぶりに戻ってきましたトレイルの宝庫、王滝村の地に。
昨年、一昨年とおんたけウルトラトレイルを走りましたが、ウルトラのコースから望む御嶽山の雄大さに惹かれ、今年は御嶽山に登るスカイレースに参戦することにしました。
今回のレースの目的は、完走することと、もうひとつは美しい景色をカメラに収めること。
大会HPや参加者のブログを見て、御嶽山のお鉢に感動。
走ってるだけではもったいないので、今回は真面目に走りながらフォトランです。
レースは前日受付なので、前日に王滝村入り。
ウルトラの場合は深夜0:00なので宿に泊まる時間も殆どないため、松原スポーツセンターで野宿してましたが、スカイレースは7:00スタートなので休む時間はたっぷりある。
ということで、今回は民宿に泊まることにしました。
受付会場では19:00から前夜祭が開催。
ドリンクとおつまみを囲んで、コース説明。
一旦宿に荷物を置いてから前夜祭会場に着いたので、30分遅刻。
その頃にはおつまみは殆ど無くなっていて、腹の減った私は残ったパンやバナナを漁ってました(苦笑)
会場では、twitterでフォローさせていただいているhiro-PUNKさんにお声掛けいただきお互いの健闘を祈りました。
レースでは、新しい出会いがあるのも大きな楽しみです。
20:00に前夜祭終了。
そしてすぐに本日お世話になる民宿みやまに戻る。
民宿みやまは、ご主人曰く鏑木毅さんはじめそうそうたるランナーが宿泊したことがある宿らしい。
その縁あってか、おんたけウルトラやスカイで優勝者や入賞者を続々と輩出しているようで、ご主人は今回の結果もとても楽しみにしているようでした。
レースのことを嬉しそうに話してくれるご主人がとても素敵な宿です。
部屋は大部屋。10人が雑魚寝する感じで、まさに合宿といった感じ。
同じ部屋には、6月の多摩川源流ぐるりでご一緒だった方々とも再会。
部屋の佇まい。学生時代のテニス合宿を思い出しました。
食事と風呂を済ませて、世界陸上をごろ寝で観ながら、22:00には就寝。
朝4:00。
起床後、宿が用意してくれた朝食をいただく。
ご主人曰く、鏑木さんから「レースの3時間前に食事を取ると、レースで力を発揮しやすい」と言われたようで、それ以来、レースのある日はレース3時間前の4時に朝食を用意してくれているようだ。
う~、ありがたいご配慮。
【写真】民宿みやま 短い間だったけど楽しい時間、ありがとうございました!
5:30過ぎ、スタート会場の王滝小学校に到着。
天気は曇り。暑くも寒くもなくまずまずのコンディション。
【写真】標高900m。スタート地点
トイレに行ったり身体を動かしたりして、緊張を解しつつスタートの7:00を待つ。
こういう時はトイレに何度行っても不十分な気がして落ち着かない。
精神的なものなのかなwスタート時間が近づくにつれて、トイレの列が20人50人と長蛇の列になっていく。
スタート15分前。御嶽神社の神主様が登場。
御嶽山に向かってランナー全員で安全を祈願しました。
スタート5分前。
徐々にランナーの表情がレースモードの顔になっていく。
【写真】御嶽神社の神主様による安全祈願
7:00、号砲とともにレーススタート。
ゴムが弾けたように先頭集団が一気に先を進む。
スタートから約5kmは緩い登りのロード。
私はマイペースに心拍数165bpmを維持したまま走り続ける。
170bpmを超えて走り続けると苦しくなるので、無理はしない。
約5km地点の大又を超え、無数の岩でガレた道を走る。
【写真】標高1,300mあたり。大又からおんたけスキー場への道
おんたけスカイレースは御嶽山に登って降りるレースなので、当然ながら前半は登りで後半は下り。
前半は嫌になるほど登りがあるのだが、気力体力があるうちに登れるので、まだ気が楽。
といっても登りが苦手なので多くのランナーに抜かれまくる。
まだ序盤なので40位あたりか。
さらに登り12km地点、おんたけスキー場に到着。
ここからのステージから視界が一気に開けた。
スカイレースの片鱗が徐々に姿を現す。
上には青空に白い雲、下には緑の芝生。
なんとも素晴らしい光景。
登りじゃなかったらもっとよかったのにw
【写真】標高1,600m。おんたけスキー場。
左に見えるのがリフト。ふかふか過ぎる芝生道を1,600mから2,240mまで登っていく。
登りの強いランナーは足取り強く前進していく中、私は徐々に遅れを取り始める。
写真撮るのに脚を止めてタイムロス、またさらに順位が落ちていく。
まぁこれは必要経費だから仕方がない。
芝生は脚が長く、土もふかふかで歩くたびに足が沈む感じ。
それ故、力がなかなか伝わりきらず見た目以上にしんどい。
こんな感じで絶景の景色の中、文句垂れながら進んでいく(苦笑)
【写真】標高2,300m、第一関門、田の原山荘付近。
頂上への厳しい登りが始まる。
ここからは登山者が多く、温かい声援をかけていただいた。
そんな中、カメラ片手に走ってるもんだから「余裕あるねぇ」と言われてみたり。
いえいえ、余裕なんか全然ありませんw
【写真】途中にあった社。登山者のために階段が整備されている。
階段を抜けると、再び視界が開けてきた。
まだ20kmも走ってないので体力は十分あるが、延々と続く登りはさすがにうんざりする。
お鉢はまだか~、これから観る絶景だけを楽しみに登る登る登る。
【写真】標高約2,500m。山頂まであと500m。
【写真】ロープを伝いながら急斜面を登る。足場が濡れていてちょいと危ない。
【写真】標高2,700m、9合目付近。
【写真】標高2,936m。第2関門王滝山頂付近。
ここからまたさらに最高峰3,067m、剣が峰を目指す。
うすうす感じてはいたが、標高2,500mあたりから少し頭痛のような重い感じがしている。
これがもしやの高山病?
倒れこむほどの辛さではないが、長時間この状態だとしんどいかも。
今まで最も高い標高は雲取山の2000mなので、3,000mは未体験ゾーンなのです。
あまりに登りが続くと辛さを通り越して笑えてくる。
ひょえ~、まだ登るんスか。頭ボーっとしてるっす。
この時点で61位。
【写真】剣が峰への道。森林が全くない、森林限界を超えた世界。
そして、剣が峰を越えるとそこには美しい世界が。。。
青々とした二の池!
下り斜面、駆け下りるランナーを横目に、足を止めてカメラに収める。
見たこともない色の池に心奪われ、しばし佇む。。。
我に返ってレース再開、と思って下を見たらこんなに抜かれていたw
私が思っていたお鉢巡りは山頂を2~3kmだけ走って終わるものだと思っていたが、御嶽山のお鉢は1周6km近くあってかなり広い。
コースマップ見れば分かるのだけど、予想以上の広大さに感動した。
【写真】賽の河原。至る所に石が高く積まれている。
下界とは全く異なる景色、天界があるとしたらこのような景色なのか。
広大な場所に澄んだ青色の池や賽の河原、そして雲に覆われた世界にいると、自分は神聖な場所に来ているのだと実感する。
山頂に来たはずなのにまた登るのか。。。
そんな思いでお鉢を巡る。
そう、広大なお鉢の中を登ったり降りたりするものだから、一瞬自分のいる場所が分からなくなる。
今は三の池を目指しているところ。
これでようやく全長37kmのレースの中間地点。
平地の20kmなんてあっという間だが、山の20kmはやはり訳が違う。
登りきったところで下りながら時計回りに巻き道。
しかしここは道というより岩場。
土の上ではなく100%岩の上を、ゴツゴツと岩同士がぶつかる音を聞きながら走る。
後ろを振り返るとこんな感じ。
急斜面を下るものだから、後続ランナーは相当高い所にいる。
今思うと、岩が落ちてきたらひとたまりもないな。。
岩の巻き道が終わると、三の池に遭遇。
カルデラのような地形にまたも青い水が湛えられている。
お鉢を折り返し再び剣が峰を目指す。
繰り返す登り下りにへこたれつつ、景色の美しさに感動しつつ、軽い頭痛に苛まれながら進む。
登りがいつ終わるのかばかり考える。
第3関門、剣が峰手前あたりで89位。
登りがあるたびに後続に抜かれていく。。。
第4関門、王滝山頂に戻ったあたりから急な豪雨。
標高3,000mに降り注ぐ雨は、とてつもなく冷たい。
立ち止まった途端に体温が下がる。
レインウェアを着ようか迷ったが、走れば体温を維持できるのでそのまま下り続ける。
登りで通った道は岩場は、急斜面で足場が悪い。
しかもこの雨で滑りやすくなっている。
しばしば足を滑らせ体勢を崩す。我ながら不格好。
再びおんたけスキー場の急坂に到着。
雨が降ったため、土が水を含んで滑りやすくなっている。
身体を斜面に預けて直滑降。
飛ばせる区間ではあるが、足の親指にモロに負荷が掛かって辛い。
痛みを我慢し、顔を歪めてダッシュ。
そんな矢先、ずっこけました。
泥な路面で一瞬体勢が後傾になったかと思ったら、足が前方に滑って腰から落下。
お陰で背中がまっ黒けっけ。
思いっきり汚れたけど、幸いどこも傷めてないのでそのままラン継続。
スキー場の下りを終え、ガレ場を通過し
残り10km、アスファルト区間に戻る。
普通に走ったら何ともないロードだが、膝に堪えたか歩いたりペースが落ちるランナー何人もいた。
ロード区間は普段の走り込みが活きたか、キロ4分台で飛ばせた。
第4関門まで抜かれに抜かれていたが、ここで20人ほど巻き返す。
そしてゴール地点の松原スポーツ公園の手前、最後の登りを走り通す。
最後の直線をダッシュしてゴール。
タイムは7:17:39。
総合79位。(約500人中)
美しい景色に恵まれた初のスカイレース。
高山の症状も自分にとっては良い経験。
普段のタイムレースとは違った心持ちで参加することが出来、得るものが多いレースでした。
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