2008年1月10日木曜日

走ることについて語るときに僕の語ること

『走ることについて語るときに僕の語ること』
村上春樹氏が2007年末に出した本の名前である。

私はこの本を読むまで、小説家、村上春樹氏がランナーだなんてことを知らなかった。
しかも彼はランニング歴25年、フルマラソンも3時間台で走り、100キロを走るウルトラマラソンやトライアスロンまでやるほどのアスリートだなんて。。。

小説家とランナー。
一見人種の違いまで感じる名称達だが、読んでいくうちに
彼のランを通した、彼の生き方や考え方を垣間見ることができた。

何故走る?
私の場合はなんだろう?

気持ちいいから。
嫌なこと忘れて頭空っぽになれるから。
考え事をするといい事が閃くから。
タイムを縮めるのが楽しいから。
体が軽くなれるから。

そんなところだろうか。結構快楽主義的。

村上春樹氏の考えを私なりに理解すると、、、
彼にとって『走る』とは自己研鑽。限りある肉体の限界を受け入れつつもあくなき挑戦を続けていること。
とはいってもストイックなものというより成長への欲求を満たしているというべきか。

彼が思いのほか『肉体の鍛錬』を大事に考えていることに、私は驚いた。
小説家というのは、煙草を吹かしながら心身を犠牲にして執筆している、という偏見を私は持っていたから。
どんな職業でもやはり体が資本なのである。そりゃそうか。
でもこれだけ彼が真剣に向き合っていることは意外だった。

読んでいると、私のような平凡な人間でも共感できるところが数多くでてきた。
私が感じていても説明できないことを見事に表現してくれている。

今まで遥か遠い存在だった村上春樹氏が、なんとなく同志として感じられてしまう。
もちろん勝手な思い込みだが。。。

今日も何処かで彼が走っている。
そんなことを考えると不思議と連帯感が沸いてくる。

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