これは観てよかった。久々に心に刺さった。
これは3作でひとつの作品。たいてい続編ものは時代も長く世界も壮大になっていくが、本作品は広くというより狭く深くなっていくのが特徴と言える。
なんというか、世界観・人間描写・悲哀がどんどん深く突き刺さっていくような感じ。そして、本当に救いのない映画だ。
観終わった後、しばらく無常感に浸っていたいような気分になる、そんな作品です。
その中で第1作目は、3作のの主旋律と言える作品。
「2」「3」は、「1」により深みを持たせるような内容となっていて、補完的な位置づけのように感じる。
特に「3」だけ観た人は、話が飛び過ぎていて、何がなんだかわからないと思う。
運命 > 人
成せば成らない人生
逃れられないしがらみ
、、、、、人は運命に翻弄されている。。。
「1」では、トニー・レオン扮する潜入捜査官ヤンとアンディ・ラウ扮するマフィア、ラウとの攻防が話のメイン。敵の懐に入って情報を漏らす。自分の素性がばれる、ばれない、の緊張感がたまらない。
と同時に、「死」というものに対して淡々過ぎるほどの展開。惜しげもなく重要な人物が死んでいく。
仲間の死に、ヤンがもっと悲しみに浸ればよいのにと思うシーンがあるのだが、裏腹に次のシーンに移っていく。
淡々と進むだけに、観ている側が何気ない表情や動作から心情を拾おうと懸命になる。
このように、観客に「行間を読ませる」ようなポイントがいくつかある。
また、トニー・レオンの表情がまたいい。彼の表情に思いっきり引き込まれてしまいました。
端正なアンディ・ラウに比べて若干ヨレた表情が、背負っている悲しみや苦しさを思わせていて、哀愁が漂う。ファンには怒られてしまうかもしれないが。。。
そして、トニー・レオンにどっぷり感情移入したままクライマックスへ。
一発の銃声。
え?と思わず口にする驚きの最後。
見ていると、ヤンやラウのことがもっと知りたくなる。
その術中にはまった人が「2」「3」を見る、という展開ではないでしょうか。
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