2007年12月21日金曜日

ハゲタカ

NHK土曜ドラマで好評だったあの「ハゲタカ」がついにDVD化。
私はテレビで見たが、民放に負けず劣らずの名作だ。




時は90年代後半から現代。
通称「ハゲタカ」といわれる外資ファンドと不良債権処理にあえぐ日本の銀行との攻防、そしてお金を取り巻く悲劇が描かれている。

このドラマのテーマは「お金」。
そこには「金のある悲劇」と「金のない悲劇」がある。
この重いテーマを派手な演出なく、しっかりと表現しているところが気に入っている。

NYの敏腕ファンド・マネージャー、主演の鷲津役に大森南朋。
銀行側の担当者、芝野役に柴田恭平。
彼らは、昔は同じ銀行の上司と部下の関係。

銀行員時代の鷲津(大森南朋)とファンドマネージャーとなった彼は、ある事件をきっかけにまるで人が変わってしまった。
温和な大森南朋から冷酷な大森南朋へ変貌。。。

彼は本来、温かみがある表情が良く似合うと思う。
でも冷酷な役柄もこれまた自然に見える。
実は普段は冷たい人だったりして、と思ってみたりする。
彼の演技でグッとドラマに引き込まれる。。。

柴田恭平。
昔は「あぶない刑事」で銃撃戦やカーチェイスを繰り広げ、「関係ナイネッ!」の台詞で一世を風靡した(?)こともあるが、人情派刑事時代を経て、今は企業再生のために力を尽くしている。なんて。

また、ファンドの餌食になってしまった旅館の跡取り息子役で、松田龍平が出演。才覚と同時にお金に狂いかねない危うさを漂わせている。
彼が成功しお金を手にしていくさまがストーリーに大きな影響を与えていく。。。

日本の銀行と外資ファンド。お金を扱うのは同じでもアプローチがまったく違う。
会社が二足三文の値段で買い叩かれていくさまは、手際が良すぎて気持ち悪い。極端ではあると思うが、シンプルな描写だけに分かりやすい。

不況ど真ん中時代に社会人になった身としては、あまりにもリアルに感じてしまう内容。
お金とは何か、幸せとは何か、働くということはどういうことか、ということを考えてしまう。
バブル崩壊後の不況を生きた社会人の皆様、必見です。

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