2010年7月27日火曜日

第3回おんたけウルトラトレイル100km

7月17日(土)、18日(日)と3連休の2日間を使って、第3回おんたけウルトラトレイル100kmに行ってきました。

場所は長野県王滝村、昨年から2度目の参戦です。
昨年は初めてのウルトラトレイル、しかもサロモンのモニター企画に参加できたという幸運も重なり、お祭り気分の参戦でしたが、今回は打って変わってリベンジモード。

昨年は、おんたけの名物であるガレ場と下りで膝をやられてしまい、60km以降全く走れなくなってしまいました。
それに午前0時スタートということもあり、前日にほとんど睡眠が取れず眠気に堪えながらのラン。
タイムも散々、16時間37分という結果に終わりました。

サロモンの赤いウェアに身を包みながらも、不甲斐ない結果に悔しい思い。。。

今年は昨年以上の走りをするぞ、ということで自分にリベンジです。






























これはレース受付会場からの王滝村の風景。
実は私のブログ背景と同じです。
王滝村の風景を選んでしまうほど、おんたけを意識してたのかも知れません。
あくまで無意識ですがw

■受付会場(レース前日17:00)














ここがドーム型のレース会場。
モントレイル、グレゴリー、アスタビータ、さかいやスポーツ等のブースが立ち並んでいるが、若干スカスカしてる。昨年と比べると淋しい感じ。
昨年はサロモンの巨大なブースがあってインパクト大でしたが、今年はそれがないのです。
















さっそく受付を済ましてゼッケンを受領。

受付を済ましたら、そそくさと自分の寝床選び。
このレース、なにせ午前0時スタートですから、日中に睡眠をとっておく必要がある。
日中だからと言って起きていると、レース中睡魔に襲われ痛い目に遭います。
このレースはトレーニングと同じくらい前日の睡眠が重要なのです。

とはいえ、装備確認やサプリメントの補充、夕食を採っているとそれなりに時間がかかり
結局寝たのは19:00。
寝袋に入って21:00まで完全爆睡。。。

■受付会場(前日21:00)



21:00起床。
暗闇の中、自分のライトを頼りに装備品を最終チェック。
歯磨きやトイレも済ませて準備OK。
周りのランナーからも静けさの中、緊張感が伝わってくる。

レース受付会場からスタート地点の王滝村公民館付近までは、バスで5分ほど移動。
22:00、スタート地点に向けてバスに乗り込む。

■王滝村公民館(前日22:00~23:00)
















王滝村公民館にて、レース前の待機。
待機するくらいならもっと寝ておきたかったので、床でごろ寝。
ごろ寝してても、緊張で寝れることはないのだけど、少しでも神経を休めておこうと
まったり佇む。
















レースの装備はいつものこれ。
シューズはXTWINGSとパックはXTWINGS VEST 10+3 EXP。
サロモンさんからモニター品としていただいたもので結局1年間通して使ってます。

おんたけのように岩が多くガレているコースでは、シューズは軽量性よりも安定性と衝撃吸収性のほうが大事だと思います。
そういう意味でXTWINGSは私にとっての最善策です。

その他装備は以下の通り

パワージェル     :9個
アミノバイタル    :9個
VESPA HYPER:9個
スポーツミネラル:9個
種なし梅             :9個
シリアルサンド   :4個
カロリーメイト     :4個
VAAM袋            :6個
水                        :2リットル

多いという人もいるかも知れないが、
ギリギリの量で残量を気にして走るよりは、多少重くても余裕を持っていた方が個人的には安心。
それに天候や体調によって消費量が増減する場合もあるので、ある意味保険です。
本レースでは、第2関門で装備の補充・回収もできるのですが、それほどの重さもないのでスタート地点から全部詰め込んで行くことにしました。

今回の私の作戦は、「無理をしない」これだけ。
昨年、前半から飛ばしすぎて60km地点で膝をやられてしまった教訓から、
今年はセーブして走り、最後まで体力や脚を温存し続けることに。
100km超の長丁場は、私のような一般レベルでは抜いた抜かれたで一喜一憂する必要はありません。

■スタート地点 説明会(前日23:30)


レースの30分前。
主催者のパワースポーツ 滝川次郎さんよりコース説明。
数日前の悪天候により土砂が崩れたため、コースが一部変更。

全長が5km延長され、105kmになったとのこと。

「おぉぉぉぉぉ~~~~っ」
一瞬会場がどよめきましたw

昨年のコースと同じ105kmなので、私はもともと105km走るもんだと思っていたので、ショックはありませんでした。

















※第一関門までのコースが一部変更され、総距離が100→105kmに延長。(上の地図は変更前)


■スタート~第1関門(40km)















午前0:00
号砲が鳴っていよいよスタート!
これから105kmの長い旅の始まり。

王滝村の市街地を抜けて、林道に向かう。
10kmまでは緩やかな登りで、それから20km地点まで長い下り、
それからアップダウンを繰り返して40km先の第一関門まで向かう。

スタート直後は気分が高揚しているせいか、ハイペースで集団が流れていく。
徐々に抜かれていくと焦るものだが、ここはじっと我慢。

私の心拍数は165bpm。
ここで頑張りすぎて170bpm越すと後が持たない。
あくまで他人は気にせず、自分の心拍数だけを見て走り続ける。

林道に入るとだらだらと緩やかな登りが続く。
緩急のないひたすらな登りが走る気持ちを萎えさせる。。。
登りを走り続けていると、次第に脚の付け根が張ってくる。
昨年のレースでは嫌な場所だった。

しかし今年はマイペースを決め込んだからか、走っていても辛くない。
そして逆に登りでランナーを抜き始めているではないですか?
おぉ、これは想定外。
でも165bpm維持は変わらずに淡々と走りつづける。


途中、いくつかアスファルトのコースが点在。
下りもあるので、私にとっては走りながら休憩できるありがたい場所。

全身を脱力しながら走るのですが、同じ下りで抜かれることは滅多にないです。
下りの勢いに任せて脚を前に振り出し、動きを止めないように走る。これがコツ。
力んでしまうと下りの動きを止めることになるので、脱力なのです。

これ以降も快調ペースが続くが、少し異変を感じ始める。
この辺りから腹部に刺すような刺激が。。。

「腹痛?」

これはまずい。
もしかして、ハイドレーションがちゃんと洗えてなかったか(苦笑)
今はまだ走れるけど、ジャブのように効いてきてそのうち走れなくなるのが怖い。
トイレを見つけたら絶対に行っておこう。

そして、大事にならないうちに20km地点の小エイド到着。
トイレを済ませて再び快調ラン。

20kmまでの通過タイム

10km=0:58:30
20km=1:54:30

マイペースにも関わらず、去年と同じペースで走っている。調子は良さそう。
でも過信はしない。

ここからは再び登り下り混合のガレたコース。
斜面がきつく、所々で歩く。

そういえば、今回私が装備したライトはヘッドライトではなく、ハンドライト。
昨年はPETZL ミオ RXPを使用していたが、ダブルトラックのコースに対して少々オーバースペックな感じがしたため、今年はハンドライトのジェントス閃にしました。

結果は成功。
ヘッドライトによる頭部の重みがなくなりストレスから解放された。
それでいてハンドライトで十分な視界も確保できているので、この選択はよかったと思う。
















午前4時。
暗闇の世界が徐々に明るくなってきた。
向こうの山を見ると霞がかった景色が美しい。
ナイトランも終わりです。

40km地点、第1関門到着。
タイムは4:25:40

昨年よりも30分速いタイムで到着してしまった。
本当にこのペースで大丈夫か?とまだ自分を疑う。。















第1関門には大エイドステーションがあり、王滝村のきゅうり、バナナが振舞われている。
きゅうりの瑞々しさと塩っけがたまらなく旨い。

ボリボリと3本、バナナを1本いただきましたw
水もしっかり補給し、ハイドレーションも2ℓ満タンに。
約20分たっぷり休憩を取り、心身ともにリフレッシュして、第2関門(70km)を目指す。

■第1関門(40km)~第2関門(70km)















第2関門までの30kmは、大きく3つのステージに分かれる。

前半(約40-50km)は下り
中盤(約50-60km)は平坦路
後半(約60-70km)は登り

昨年はこのコースで膝をやられ、睡魔に襲われペースを大きく落とした。
去年の二の舞になるわけにはいかないので、ここは体調を維持して走り抜けたいところ。

ここは三浦貯水池を臨む景色がきれいなコースなので、
気張らず写真でも撮って走ることにしました。

下り基調の前半は、エイドで補給したカロリーを温存し
キロ6分台のペースを維持する。

50km地点、5:50:30
依然、体調は悪くない。

残すところあと55km。
レース後半に差し掛かり、走行距離と同時に残り距離を意識し始める。
















50kmを越えるとコース左手に見えるのが三浦貯水池が現れる。
池というより湖のような大きさ。
山に囲まれるその姿を見るとボートを漕いで反対側まで行ってみたい衝動に駆られる。
そんなことを考えていると、レースの疲れも少し紛れてくる。

















午前7時。
走行距離も60kmを越えた。
このあたりから太陽の光が強烈さを増し、容赦なく肌に照りつけ始める。
ハイドレーションの水も急激に消費するようになってきた。
















絶好のトレラン日和。
青空の下、雄大な自然に囲まれて走っている自分はなんて幸せ者かと思う。
ただ少し暑いが、水分をまめに採ることで楽しく走れる健康状態を維持する。

60kmを越えると再び登りが始まる。
前半の登りと違って、日差しが容赦なく照りつけるため
帽子に日除けを装着し、日中モードに切り替え。
















標高1500m近辺。
景色が空に近くなる。
写真左側の山にある白い筋は、自分が走ってきたトレイル。

この第2関門までのコースは左回りに円を描くように走るので、自分の走ってきたコースを見ることができる。
逆に右手を見ると、これから自分が走るべき道が数十キロ先まで分かる。
これを見て、やる気が起きるかゲンナリするかはその人次第かも。

ここまで走ってまだ体調良く走れている自分にはプラスの刺激になりました。
















再び登場、三浦貯水池。
さきほどとはちょうど反対側あたり。
また高度が200mほど上がってきたので、池全体が臨める。あ~絶景。
しばし脚を止めたい気分だが、レースレースw
















上を見れば、さらに高くそびえる御嶽山(3067m)が望める。
今まさに標高1500mの位置を走っているが、それよりも倍の高さから見下ろされている。
いつか御嶽山からの景色を見てみたい。
















70km地点、8:36:00
登りは辛いが、景色は絶景なエリアを越え、まもなく第2関門到着。















第2関門では、荷物の補給・回収ができる。(希望者のみ)
スタート前に預けた荷物を第2関門で補給する人もいれば、ライトなど不要になった装備をここで回収してもらう人もいる。

私は最初から補給食もフルに装備して走っているので、補給は必要なし。
本当は不要なライト類を回収してもらいたかったが、諦めた。

回収した物は、第2関門が制限時間になってからゴール地点に運ばれる。
回収した荷物がゴール地点に到着するのは16時過ぎ。

ゴール後すぐに電車で帰宅予定の私は、時間的にちょっと待てない。

ここで、気分を変えてジェル系食糧の味をチェンジ。
パワージェルのバナナ味からカーボショッツのコーラ味へ。
コーラパワーで残り35kmを走りきるぞっと♪

■第2関門(70km)~第3関門(86km)















第3関門までの道のりは、1600m級の高地戦。
アップダウンを繰り返し、一気に下るコース。

このあたりから、膝を酷使しきったランナー達が走れず歩く姿が増え始める。






























容赦ない日差し。
さすがに疲労は蓄積しているが、まだ走れる。

登り坂。

走れば時速10km
歩けば時速5km

10秒走って10秒歩く
そんなことを繰り返しながら、歩き以上のスピードを捻出する。

下りは、もちろん走る。
体全体の力を抜いて、坂の勢いそのままに。。。

第3関門手前の激坂は膝泣かせ。
相変わらずのガレ場と激坂で膝への衝撃が最高潮。
ここで走れるランナー、走れないランナー、はっきり分かれる。

80km地点、10:22:50
86km地点、10:56:30
第3関門到着。

■第3関門(86km)~ゴール(105km)















残り19km。
ハーフマラソンの距離もない。

ゴールまでコースは、
ピークを2つ越えたらあとは下るだけ。

もうすぐゴールできるという安堵感と
旅が終わる物悲しさが入り混じった感覚。

マイペースで走ってきたことが功を奏し、まだ走れる。
















右手には、崩れた壁面。
















左手には御嶽山。
見納めかと思うとやはり悲しく、立ち止まってシャッターを押す。

レースに来ているのだが、速く走るだけでは非常にもったいない。

90km地点、11:57:10
100km地点、12:53:00

ほぼキロ6分ペース。走れている。
残り5km。

山を降りると、残りはロード。
実はロードに出てからが辛い。

アスファルトの固さが膝を打ち付け、膝をやられたランナーにとっては悶絶の区間。
まだ私は走れるものの、苦行だこれは。

歩いているランナーを数人抜き、直線道路をひた進む。
「ラスト~っ、頑張ろう!」
お互いを励ましあう。

真昼間のアスファルトは、照り返しもきつく、長時間は走っていられない暑さ。

そんな中、通り沿いの民家から少年が現れ、水を差し入れてくれた。
冷たい水がのどに入り、生き返る。

痛い、苦しいといった感覚は捨て
走ることだけに集中し
目指すゴールへ。
















ゴール地点では、帰還するランナーをアナウンスしている声が聴こえる。

105kmの長くて暑い旅が終わった。



タイムは、13:20:30。



昨年タイム、16:37から3時間以上短縮。

ペースを抑えて走っていたのに、13時間台で帰ってこれたことには自分でも驚いた。
体調を維持し、安定したペースで走ることがウルトラでは重要なのだろうと感じた。

■SUUNTO Training Manager 走行データ









SUUNTO t6で計測した走行記録。
85kmでメモリフルになってしまったため、右側が直線となってしまっている。。。

心拍数は、40kmあたりまで160bpmを維持し、中盤以降140- 150bpmで推移している。
速度も、時速10kmをコンスタントに維持しているため、後半も走れるところは走れていることが
分かる。

さらに上を目指すには、
・登坂力
・ウルトラな持久力
が必要だろう。

来年のレースのことはまた別の機会に考えよう。

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